久しぶりの更新。
今は昔、
芝居の世界は『飲みに始まりのみに終わる』というのが定石だった。
どこの劇団でも、規模の大小にかかわらずプロデュース公演でも、
最初から最後まで、とにかく“よく飲んだ”
役者を始めたばかりの頃は、それこそ右も左も、
奥も手前も、ホントもウソも、わからないような状況だったから、
飲みの席で諸先輩方の口からよく出てくる人の名前や劇団の名前を
とにかく頭に詰めておいたり、
舞台を作りあげていくプロセスで、これはこういうものだ、と言われれば、
疑う余地なく、それはそいういうもの、だった。
演出家は絶対権力で、女でも男でも平気で殴って稽古場から追い出した。
自然、稽古場は神聖な場所に感じられたし、身が引き締まった。
面白いことをするのではなく、演出家の言うとおりのことをいかに一生懸命やって
いかに演出家の顔をニヤケさせるかが大事だった。
先輩も後輩も関係なく、役を獲得する為に必死だった。
遠慮なんかせずにやって、先輩を追い越せば一目置かれたし、
生意気だ、と非難されることもあった。
良くも悪くも魅力があれば前に出る。
そして稽古がおわれば“飲み”
飲んで飲んで飲まれて飲んで... ∞
顔合わせで飲み。 初稽古で飲み。 座組全員揃ったら飲み。
今日の稽古は充実したから飲み。
今日の稽古はイマイチだったから飲み。
今日は稽古で出番が多くて疲れたから飲み。
今日は稽古で観てるだけだったから飲み。 etc...
そんな口実なら幾らでも聞いたけど、
まぁ「この世界の人たちはよく飲むなぁ」と思ったのを憶えてる。
年に何度も芝居をしてバイトが出来ないからじゃなくて、
要するに飲みすぎで金がねーんだな、って思って笑った。
でも飲みニケーションとはよく言ったもので、
飲みの席で実にいろんな情報を得られたし、
次の舞台出演が決まったり、観に行く芝居が決まったり、
舞台づくりの面白さ、大変さ、良さ、意味。
各地方のオモシロ事情に至るまで、ありとあらゆる話題に身を委ね、
そんな有相無相の海をひと泳ぎして浜に上がると
僅かずつでも人間が濃くなっていく。
もちろん飲んでるだけじゃダメだけどね。
ちょっと前に編集社の人が面白い話をしてくれた。
最近の若者は、飲み代に金を使わないのだそうだ。
お金の使い道第1位が彼女、第2位が趣味(服、ゲーム等) だそうだ。
なんだか味気ないね。
飲みニケーション、大いに結構。
私は諸先輩方に教わったものを無理強いする積りはないけど、
色んな所にカラダをぶっつけて、ガリガリ学んできたことを貫くけどね。






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